「子どもには自由に育ってほしい」
「やりたいことをやって、生きていってほしい」
そう願う気持ちは、きっと多くの親が心に持っているものだと思います。
もちろん、私自身もそうでした。
だからこそ、子どもの“やりたい”を尊重したいと思ってきましたし、
自分の価値観を押しつけないように、そっと見守る姿勢を大事にしてきたつもりでした。
でも、あるとき、こんな疑問が湧いてきたことがあったんです。
「そもそも私は、自由に生きているだろうか?」
自由の入り口
家族のこと、子どもの予定、仕事や日々のタスク…。
あっという間に過ぎていく毎日の中で、
「今日はこれがやりたいな」と心から思えることに、
どれくらい時間やエネルギーを使えているだろうか?
自分の“want to(やりたい)”って、何だったっけ?
それを忘れてしまうほど、やるべきことで日々が埋め尽くされていないだろうか?と。
月経のタイミングと重なったある日、
「今日はもう何もせずに、とにかく休もう」と思い切って決めてみた日がありました。
すると、心も体もふわっと緩んで、
ああ、自分の内側にこうやって耳を傾ける時間って、
こんなにも豊かだったんだ…と、じんわり思い出すことができたんです。
この感覚こそが、自由の入り口だったのかもしれないと、感じました。
本当の自由とは?
「やりたいことをやる=自由」
そう思いがちですが、本当はそうじゃないんです。
自由って、
目の前のことにただ反応して動くことではなくて、
自分の内側の感覚と丁寧につながって、そこから選び取っていくことだと思うのです。
たとえば、SNSを見て「これいいな」「やってみたい」と感じること。
それ自体は悪くないですが、それが続くと、
自分が本当にやりたいことなのか、
誰かに影響されて「良さそう」と思っているだけなのか、
わからなくなっていく。
同じように、子どもも「やりたい」と言ったことが、
ただ楽しそうだからなのか、誰かと同じが安心だからなのか、
あるいは、本当に自分の心が望んでいることなのか、
それを見分ける力は、まだ育っている途中だったりします。
だからこそ、親である私たちが「自由に選ぶ力」を思い出すことが、
そのまま子どもに伝わり、背中で見せる教育になるのだと思います。
自分に丁寧に選ばせてあげる
子どもを優先する毎日、
家族のことを思いやる優しさ、
たくさんのタスクを抱えながら頑張る日々の中で、
「自分の心地よさ」は、つい後回しになってしまうことは母親である私たちには多いと思うんです。
でも本当は、
今この瞬間に「わたしはどう感じてる?」
「どんな選択が、自分を静かに満たしてくれるだろう?」
そうやって問いかけてみることで、
自分に丁寧に選ばせてあげる時間も大事にしてあげることが、
女性として、母として、人としての芯を取り戻す大切な時間なのだと思います。
「私は今、何を選んでいる?」
その問いが、未来を育てていく。
子どもに自由を与える前に、
まずは大人である私たち自身が、「選べる私」でいること。
それは、わがままでも、自己中心でもなくて、
ただ静かに、誠実に、自分の本音を聞いてあげること。
そうやって少しずつ、私が心地よい選択を重ねていくことで、
それはやがて、子どもにも伝わっていきます。
たとえば、「ママって、なんか楽しそうだよね」
そう言われるような生き方。
がんばっている姿も大事だけれど、
何かに振り回されるのではなく、
自分で選びながら満ちていく姿こそが、
未来に残したいメッセージになるのかもしれません。
今日は、どんな選択をされましたか?
それは、あなた自身の“want to”からのものだったでしょうか?
たとえ5分でも、「これがしたいな」と感じることを選べたら、
それだけで一日が少し違って見えるかもしれません。
そしてそれが、明日のあなたや、子どもの未来を育てていく一歩になる。
「自由に生きること」は、いつだって“今、ここ”から始められるのだと思っています。