「人に貴賤(身分の高い低い)はないが、勉強したかしないかの差は大きい。」
これは福沢諭吉が残した言葉と言われていますが、そう聞くと、つい子どもに勉強させなきゃ!そう感じてしまうのではないかと思います。
実際、娘が生後5ヶ月から幼児教室に通わせるほど、元々は教育熱心だった私は、そんな気持ちで知育活動に励み、気付けば、常に期待に応える結果を望んでしまうようになっていたのを思い出します。
しかし、今思うと、一番大切なのは、私自身の価値観の押し付けでなく、子どもが何に一番興味を示しているのかをしっかり観て寄り添うこと、そして親である私自身が、学んでいる姿勢を見せ続けることが一番大切だったと感じています。
周りとの比較でなく、目の前のその子が今一番興味を抱いているものをとことん応援してあげる。それこそが、一番の教育だったのにそれができていなかったと今更ながら反省をしています。
実際のところ、私たち親は子どもの未来を思うあまり、つい「良い結果」を求めてしまうものです。しかし、重要なのはその結果ではなく、プロセスにおける学びや成長です。私が気づいたのは、子どもがどのようにして問題を解決し、挑戦を乗り越えるかというプロセスこそが、将来の成功や幸福に繋がる重要なスキルを育むということです。
私たち親が目指すべきは、子どもが自分自身の興味や関心に基づいて、自発的に学びたいと思う環境を提供することです。それには、以下のポイントが重要となります。
1. 子どもの興味を尊重する
子どもが何に興味を持っているかを観察し、その興味を尊重することが大切です。例えば、子どもが昆虫に興味を持っているなら、その興味を深めるための図鑑を一緒に読んだり、昆虫観察に出かけたりすることが効果的です。親が興味を示すことで、子どももその分野について深く学びたいという意欲が湧いてきます。
2. 自分自身の学びを見せる
親自身が学び続ける姿勢を見せることは、子どもにとって大きな影響を与えます。例えば、親が新しいスキルを学んだり、本を読んだりする姿を見せることで、子どもは「学び続けることの大切さ」を自然と感じ取ることができます。
3. 成功体験を共有する
子どもが小さな成功体験を積み重ねることが自己肯定感を高める鍵です。子どもが達成した小さな目標や挑戦を一緒に喜び、その過程を褒めることで、子どもは「自分もできるんだ」という自信を持つことができます。これにより、さらなる挑戦への意欲が生まれます。
4. 親子の対話を大切にする
日々の生活の中で、子どもと対話をする時間を大切にしましょう。子どもが感じたこと、学んだことを聞き、共感し、時にはアドバイスをすることで、親子の絆が深まり、子どもも安心して自分の思いや考えを表現できるようになります。
5. 長期的な視点を持つ
教育においては、短期的な成果よりも長期的な成長を見据えることが重要です。例えば、試験の点数や学校の成績だけに一喜一憂するのではなく、子どもがどのような人間になり、どのような価値観を持つかという視点で見守ることが求められます。将来にわたって役立つスキルや態度を育むためには、長期的な視点でのゴール設定が欠かせません。
6. 自己肯定感を育てる
子どもが自分の可能性を信じ、挑戦を恐れずに前向きに取り組むためには、自己肯定感を育てることが不可欠です。親は子どもの努力や成長を認め、褒めることで、子どもが自己肯定感を持つようサポートしましょう。自己肯定感が高まることで、子どもは困難に直面しても自分を信じて乗り越える力を持つことができます。
まとめ
「人に貴賤(身分の高い低い)はないが、勉強したかしないかの差は大きい。」という言葉が示すように、学ぶことは非常に重要です。しかし、ただ勉強を強制するのではなく、子ども自身が学びたいと思う気持ちを育てることが何よりも大切です。
私たち親ができることは、子どもにとって学びが楽しく、意義あるものになるようにサポートすることです。親自身も学び続ける姿を見せ、子どもの興味を尊重し、長期的な成長を見据えた教育を心がけましょう。その結果、子どもは自分の可能性を信じ、未来に向かって力強く歩んでいくことができるのです。