私たちは日常生活の中で、知らず知らずのうちに「強制される」ことに慣れてしまっているように感じることがあります。
学校や職場、家庭においても、「〜しなければならない」「〜すべきだ」といった言葉が飛び交い、その枠に自分自身を無理やりはめ込んでしまうことはないでしょうか。さらに、その枠組みを当たり前と感じるあまり、無意識に他人にも同じような強制をしてしまうこともあります。しかし、本当に私たちが望んでいる生き方は、そういった枠にはまったものなのでしょうか？今回のブログが、そうした枠組みの見直しにも活用いただけましたら幸いです。
強制の裏にある恐れと不安
強制の裏側には、恐れや不安が潜んでいます。親が子どもに勉強を強制する背景には、「勉強しなければ将来困るかもしれない」という不安があります。同様に、私たちが職場で成果を出さなければと自分を追い詰めるのも、「結果を出さなければ認められないのではないか」という恐れからです。しかし、この恐れや不安が強制の原動力となると、私たちは本当にやりたいことからどんどん遠ざかってしまいます。やらされているという感覚は、エネルギーを奪い、心の中に無力感や自己否定感を生み出します。
強制しない生き方とは
では、どうすれば強制から自由になれるのでしょうか？
その鍵は、「自分の価値観に気づくこと」から始まります。強制されると感じるとき、それはたいてい、自分の価値観と一致していないことを無理に受け入れようとしている証拠です。まずは、自分が本当に大切にしている価値観や生き方を見つめ直すことが必要です。
たとえば、子どもに勉強を強制する前に、「なぜ勉強してほしいのか」を考えてみてください。
将来困らないためなのか、社会で活躍してほしいからなのか。もしそうであれば、勉強そのものを強制するのではなく、「学ぶ楽しさ」や「好奇心」を育てる方が、子どもにとっても自然で前向きな動機づけになります。同様に、大人である私たちも、「やらなければならない」ことの背景にある自分の価値観や本音を見つめ直すことが大切です。
強制されない生き方のためにできること
- 選択の自由を尊重する
他人に対しても、そして自分に対しても、「選択の自由」を尊重することを心掛けてみてください。人それぞれのペースや価値観があることを理解し、相手をコントロールしようとしないことが大切です。 - 自分の軸を持つ
他人の期待や評価に左右されないためには、自分の軸を持つことが必要です。自分が本当に望む生き方や目標を明確にし、それに向かって行動しましょう。軸が定まっていると、他人からの強制的な言葉や圧力にも振り回されにくくなります。 - 「ねばならない」を手放す
「〜しなければならない」「〜すべきだ」という思考を少しずつ手放し、「〜したい」「〜できる」という言葉に置き換えてみましょう。この言い換えは、小さなことから始めて構いません。例えば、「早く寝なければならない」ではなく、「早く寝たい」と考えるだけでも、気持ちに変化が訪れます。 - 内側から湧き出るエネルギーを大切にする
強制されるとき、私たちのエネルギーはどんどん消耗していくだけでなく、例えやりたい意志があったとしても、強制されることでその意志自体が削がれてしまうことがあります。しかし、強制されず、自分の内側から湧き出る「やりたい」というエネルギーであれば、尽きることがありません。自分の好きなことや興味のあることに意識を向け、そのエネルギーを育てていくことが、強制されない生き方への第一歩です。
おわりに
強制しない・されない生き方とは、自分自身を尊重し、他人の価値観に振り回されずに生きることです。
それは決して自己中心的になるという意味ではなく、むしろ自分を大切にするからこそ、他人にも優しくできるということです。
私たちが本当に望む生き方は、誰かに決められるものではありません。恐れや不安から解放され、自分の心からの声に従って行動できるとき、私たちはもっと自由に、もっと充実した人生を送れるはずです。強制を手放し、自分の心に素直になることで、より豊かな人生を共に歩んでいきましょう。
