満たされるということ

「なんでこんなに頑張ってるんだろう?」

そんな問いが、胸に浮かぶことはないでしょうか?

予定はいっぱい。
誰かのために動いて、目の前のことに一生懸命。

でも、どこか心の奥が静かに空っぽ。
何かが足りない気がして、また次のやることを探してしまう。

そんなとき、
わたしたちは「もっとやらなきゃ」「まだ足りない」と、自分を励ますようでいて、
実はずっと、自分を置き去りにしているのかもしれません。

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行動の奥にある“満たされなさ”

コーチングでもよく耳にするのが、

「目標は立てたけど、やる気が続かない」
「何かを達成しても、心が晴れない」という声。

一見、前向きに見えるその行動の根っこには、
「そうしないと、わたしには価値がない」という深い思い込みが潜んでいることがあります。

たとえば

  • 人から認められることで、自分の存在を肯定したい
  • 誰かに必要とされることで、安心を得ようとする
  • 役に立っていないと、ここにいていいと思えない

こうした無意識のパターンは、過去に感じた寂しさや傷つきから生まれた補償行動であったりします。

ほんとうは「わかってほしかった」「抱きしめてほしかった」
そんな満たされなかった感情が、いまも「自分の在り方」に影響を与え続けている無意識の前提かもしれません。


満たされることは、止まることではない

「満たされる」と聞くと、
がんばるのをやめることや、何もしない状態をイメージするかもしれません。

でも、ほんとうの満たされ感とは、
外から何かを得て埋まることではなく、
わたしといういのちと、ちゃんとつながっている感覚のこと。

たとえば、
何かを成し遂げたときよりも、
誰かの笑顔にそっと心がほどけた瞬間の方が、
深い安心に包まれたことはありませんか?

そういう感覚は、
「がんばったから得られるもの」ではなく、
「いま、ここにいる自分」をちゃんと感じているときにだけ訪れるのです。


行動を変えるより、関係性を変える

どんなに予定を管理して、習慣を整えても、
「わたし」との関係性がすれ違ったままでは、
どこかに無理がかかってしまいます。

わたしを置き去りにしたまま未来を描くと、
頑張っても頑張っても、安心にはたどり着けない。

けれど、寂しさや不安、遠ざけていた感情を
少しずつ迎え入れていくと、
その「陰」が、やさしく「陽」へとひらいていく。

すると、「もっと成果を出さなきゃ」が
「こんなふうに力になれたらうれしい」に変わり、
「しなければいけない」から
「やりたいからやる」へと、自然に変化が訪れていきます。

それは、思考の切り替えではなく、
いのちの方向が変わるような、深い変化なのです。


今日の小さな問いかけ

最後に、そっとこんな問いをぜひご自身に立ててみてください。

  • わたしは最近、どんなふうにがんばっていたか?
  • その奥には、どんな満たされない想いがあったか?
  • もしその想いがすでに満たされていたとしたら、いま何をしたいと感じるか?

答えを出そうとするよりも、
ただ、その問いと一緒に「いま」を感じてみるだけで、
小さな変化が静かに始まっていきます。

ぜひ、その“いまここ”から、生まれてくるものを大切にしてみてください。

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