運動会シーズンが到来し、各地で運動会が行われていますが、運動会での出来事は、親にとって子供の成長を見守る上で大切な瞬間であり、成長をより促すチャンスでもあると捉えています。
今日は、私の小学4年生の娘も、まさにそんな経験をしました。「ママ、一緒に練習しよう!」と朝7時から走る練習を始め、登校時にも「ママもパパも絶対に見に来てね!」と張り切って出かけて行った娘。しかし、彼女の番が終わり、座っていた席に行ってみると、肩を震わせて号泣しており、その悔しさは表情からもひしひしと伝わってきました。
去年までは自分の納得のいく結果を出せていた娘が、今回、初めて自分の想定とは異なる結果、そして味わったことのない感情に戸惑っているようでした。しかし、彼女は涙を流し、自分の感情と向き合う中で、力強く「たくさん練習して、来年は絶対に自分で納得できる結果を残す!」と言葉を残していました。
コーチングの視点から
コーチングでは、このような強い情動を伴う経験は、未来を形成する重要なピースであると考えます。娘の涙の経験も、彼女の成長、そして未来にとって大きな意味を持つのです。大切なのは、この経験をどのように活かしていくか、そして娘自身がこの経験を通して何を学び、どう成長していくかです。
経験を未来の力に変える
まず、娘が自分で目標を設定し、その達成に向けて努力する姿勢を評価することが重要です。娘の「来年は絶対に自分で納得できる結果を残す!」という言葉は、自分自身の目標を見つけ、それに向かって努力する意欲を示しています。この姿勢を支え、励ますことが親としての役割です。
コーチングでは、ゴール設定が非常に重要視されます。ゴールを明確にすることで、子供は自分の行動の方向性を定めることができます。娘の場合、「来年の運動会で納得のいく結果を出す」という具体的なゴールが設定されました。このゴールを達成するための具体的なステップを一緒に考えることが必要です。
ネガティブな感情をプラスに変える
強い情動を伴う経験は、時にネガティブな感情として残ることがあります。ネガティブな感情としてずっと引き摺らないためにも、そういった感情を次の行動のエネルギーに変えることが、記憶を良いものに書き換える上で大切なポイントになります。
具体的には、娘がどのような部分で悔しさを感じたのかを一緒に振り返り、それを改善するための方法を考えます。例えば、スタートダッシュが遅かったのなら、スタートの練習を強化する。また、長距離走に苦手意識があるなら、日常的に少しずつ走る距離を伸ばしていくなど、具体的な改善策を自ら考えさせます。
レジリエンス力を育む
また、コーチングではレジリエンス力、つまり困難を乗り越える力を育むことが重要視されます。娘が失敗から立ち直り、次に向けて前向きに取り組む力を養うためには、日頃から小さな成功体験を積み重ねることが有効です。例えば、練習の中で少しずつ目標を達成していくことで、自己肯定感を高めることができます。
親としてのサポート
親としてできることは、娘の感情に寄り添い、共感しながらも、次に向けてのポジティブな視点を提供することです。失敗を責めるのではなく、それを成長の機会と捉える姿勢を見せることで、娘も自然と前向きな気持ちを持つことができます。
具体的なサポートとしては、日々の練習を楽しくする工夫を取り入れることが考えられます。例えば、練習後に一緒に楽しめる時間を作ることで、練習自体が楽しみになるように工夫します。また、小さな進歩を見逃さずに褒めることで、娘のモチベーションを高めることも重要です。
大きなゴールを設定する
最後に、コーチングの重要な要素として、大きなゴールを設定することがあります。目先のゴールよりも、その先にあるもっと大きなビジョンとゴールを持つことが大切です。例えば、運動能力を高めることで将来の選択肢を広げることや、スポーツを通じて得られる仲間や経験を楽しむことなど、広い視点でゴールを考えることができます。
まとめ
娘の運動会での経験は、彼女にとって大きな学びの機会となりました。こうした様々な経験を通して、子供は成長を重ねて行きます。起きた出来事の結果でなく、そこからどうしたいかという未来に視点を当て、ポジティブに捉え直すことで、次に向けての具体的なアプローチを考えることができ、成長をサポートすることができます。親として、子供の感情に寄り添いながら、自らの目標に向かって努力する姿勢を支え、励ますことが大切です。このアプローチを通じて、子供たちは困難を乗り越え、自分の力で未来を切り開く力を身につけていくでしょう。